【ライブレポート】粗品ライブレポ『くるみ割り人形』Zepp DiverCity公演

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【ライブレポート】粗品ライブレポ『くるみ割り人形』Zepp DiverCity公演
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当記事では粗品 全国五大都市ツアー『くるみ割り人形Zepp DiverCity(TOKYO)公演のライブについて記載しています。

ツアー『くるみ割り人形』

『くるみ割り人形』は福岡、大阪、名古屋、東京、札幌のZeppをまわるツアーです。東京公演はZepp Divercityでの開催となりました。対バン相手は清竜人25でした。

粗品さんの体調不良により大阪公演が中止となったため、東京はツアー3公演目となりました。

ライブ開始前の様子

東京公演はソールドアウトしており、会場周辺には開演前からハゲタコエビフライTシャツを着たファンの姿が。前回のクアトロツアーは即完であったため、今回のライブを楽しみにしていたたくさんのファンが会場に集まりました。

ライブの内容

お笑い芸人粗品からバンドマン佐々木直人へ

清竜人25のライブが終わるとステージに「粗品」の垂れ幕が準備されました。

入場SEのカノンが流れる中、ドラム岸波さん、ベース藤本さん、そして粗品さんの順番に入場。粗品さんへのものすごい歓声がステージに飛びかう中、1曲目の「ビームが撃てたらいいのに」を披露しました。

「あいやしばらく」と恒例の挨拶ののち、対バン相手の清竜人25への感謝を伝えました。

演奏とMCの間には、フロアから「はーい、こんにちは!」「めっちゃこんにちは!」といった(くっそおもんない)野次が飛んでいました。

ステージに立つ粗品さんは、いつも画面越しで見ている粗品さんのようでそうではない何か異様な雰囲気を感じます。粗品バンドのライブを見たことがない他の観客もおそらく同じように感覚があったと思います。

「佐々木直人って言います。」

そうしてはじめた2曲目の「ぷっすんきゅう」、3曲目の「宙ぶらりん」が終わる頃にはフロアからの野次はなくなっていました。

粗品が音楽をやる理由。サルバドルサーガ

ここでかなり長い時間を使ってファンに関してのMCをしました。

粗品さんの大ファンであり、粗品さんが作る音楽を愛していたファンの方が自⚫︎をしてしまった、という旨のメッセージを友人の方から頂いたようです。

お笑いでは救えない人を救うために音楽を始めた粗品さんでしたが、ちゃんと音楽が届いたとしても救えない命があることに絶望し一度は音楽を辞めようと思ったということ、それでもまだ諦めていないということを語りました。

「俺おもんないやつ嫌いやねん。自⚫︎するやつが一番おもんない。」と震えた声を絞り出します。

「今から会場の全員と目を合わせます。」そういうと下手側から上手側へ観客と目を合わせ、「死ぬなよ」「死なないで下さい」「死なんといてくれ」と繰り返し訴えかける佐々木直人。

「絶対死ぬよ、約束や」そう叫ぶと「サルバドルサーガ」へ、そして「タイムトラベルマシンガン」へと続きます。楽曲が終わるころには会場に「ありがとう」という感謝の歓声が飛び交っていました。

めーっちゃ人間。はるばらぱれ

いついかなる時も、どんな状況であっても100%かそれに近いパフォーマンスを出さなければならないのがプロなんだと思います。(もちろん人間なので多少の上下はありますが。)動員があろうがなかろうが、誰が見に来ようが来まいが、そんなことお構いなしにパフォーマンスをするのがロックスターというものです。

ツンツンヘアーに黒い目元のメイク、革ジャンにスキニーをまとった粗品さんは、「今度は自分のことを話します。」と口を開き、ご両親とご自身の話を始めました。

当日は2階席にお母様が見に来ており、途中からはもうほとんどお母様への感謝のお手紙を読み上げているような内容になっていました。

ロックスターの格好をしているのに、中身はめーっちゃ人間。約2000人の前でお母様に向けて感謝を伝えている姿は芸人でもミュージシャンでもない、両親に感謝を伝える1人の息子でした。

「大好きだけどツアーでまだやってない曲があんねん。」

「2010年12月8日 母ちゃんを守ると決めた日。 2024年10月15日 一応歌ってみます。」

そうして続けた「はるばらぱれ」は何度も言葉につまりながらも、お母様がいるこの公演だからこそできる特別な演奏になりました。演奏後には鳴り止むことのない拍手が会場を包み込みました。

耳が不自由な普通の人へ。泣声夜

本編の最後には、耳が不自由でない”特別”な人たちと、耳が不自由な”普通”の人たちに向けて、先日リリースした「泣声夜」が披露しました。

MCの初めには音声認識アプリの使用許可をジャスチャーで伝え、会場にいる”全て”の人に向けて話し始めました。

「この曲は一番泣いた日のことを思い出して聴いてほしい。」

「寄り添ってあげることはできなけど、一緒に腹たつことはできる。」

体感で1分以上続いたギターのハウリングの静寂の中、ドラムのカウントで演奏が始まりました。

アンコール

「アンコール」の掛け声が、すぐに力強い「ハゲタコ、太客、エビフライ」に変わると、メンバーが再登場。

登場して早々に「戦慄かなの大丈夫??」と発した男は、いつも画面越しに見ていた”粗品”さんでした。(清竜人25の第101夫人清さきなさんは戦慄かなのさんの妹さん。)

吉本からの差し入れが”フィナンシェ”だったというトークで軽く笑いをさらい「オーディンの騎行」と「絶対大丈夫の歌」を披露し、終演をむかえました。

総評と感想

ライブの序盤から、これは「粗品」という名前のバンドを佐々木直人がやっているんだということが分かりました。

「佐々木直人」はバンドマンとしてはまだ一年目のド新人であり、声はうわずりギターは間違いと雑音だらけ、チューニングは長く間が悪い。この日までのライブでの演奏は両手でおさまる程度であり、まだZeppに立てるような経験を積めていない状況です。

ただ一方で、「粗品」は言葉(トーク)のプロであり、感情を言葉にのせることが尋常じゃないくらいに上手い。

一般的に音楽(バンド)というものは、素直に伝えることが難しい感情を歌詞にのせて届けるものだと思ってます。しかし、音楽に感情をのせて伝えることがまだ上手くできない佐々木直人は、MCでめちゃく感情を言葉にのせて伝えていました。

まるで「佐々木直人」が「粗品」の力を借りているように、演奏にMCの力を上乗せをすることによって、音楽の力を増幅させているように感じました。これが今できる粗品バンドの最大限の表現なのかもしれません。

シリアスで長尺のMCは、粗品という人間を好きかどうかで賛否が分かれそうなところです。

ドッグマン
ドッグマン

個人的にはやっぱりもう少し演奏が聴きたかったです。

まとめ

対バン形式とはいえ活動一年目でクアトロツアー、Zeppツアーをソールドアウトさせてきた粗品バンド。今回は耳の聞こえない人に対しても音楽を伝えるためのアプローチをしていて感動しました。

今後どのように音楽と向きあい、ライブ空間を作っていくのか注目です。

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